外国人が日本で飲食店を開業する場合の就労ビザ
1 外国料理店とは?
外国料理店とは、フランス料理、イタリア料理、中華料理、タイ料理、ベトナム料理、韓国料理、
インド料理、ネパール料理、マレーシア料理、フィリピン料理、カンボジア料理などの日本にとって外国である国の民族料理のレストランを指します。
また以下のご説明は東京都を念頭にご説明しています。各都道府県により条例で定められた細かな
内容が異なりますのでご注意ください。
2 飲食店営業許可
外国料理店を開業するにあたってはまず、飲食店営業許可を受ける必要があります。
この飲食店営業許可は外国料理店に限らず、すべての飲食店が受けなければならない許可です。
2-1 飲食店営業許可
飲食店営業は都道府県が定めた施設基準に合致した施設を作り、営業許可を受けなければ開始
することができません。
2-2 飲食店営業許可の申請先
飲食店の所在地を所管する保健所です。
2-3 飲食店営業許可と事前相談
飲食店営業許可は、①冷蔵設備、②洗浄設備、③給湯設備、④客席、⑤客用トイレなどについて
細かな基準があります。
工事完了後にこれらの基準を満たしていないことが判明すれば大きな損失となりますので、
工事着工前に施設の設計図等を持参して、事前に保健所の食品衛生担当と相談します。
2-4 工事の着工
保健所に持ち込んだ施設の設計図が基準を満たしている場合には、工事の着工に進みます。
2-5 申請書類の提出
法人の場合には、①営業許可申請書、②営業設備の大要、配置図、③許可申請手数料、④登記事項
証明書、⑤食品衛生責任者の資格を証明する書類が必要です。
東京都の場合、施設工事完成予定日の10日前を目安に提出します。
2-6 食品衛生責任者の資格
2-6-1 要件
①栄養士、調理師、製菓衛生士などの日本の資格を有する者
②食品衛生責任者を養成するための講習会を修了者
※①または②を満たす方は食品衛生責任者になることができます。
2-6-2 食品衛生責任者養成講習会の参加資格
東京都の場合は次の通りです(2016年11月現在)。
①17才以上であること
②日本語が理解できること
③在留カードを保有していること
※①から③のすべてを満たす必要があります。
※在留カードを保有していない短期滞在の外国人は講習会に参加できません。
※東京都以外では③を満たしていなくても受講できる府県があります。
2-7 外国料理店の施設完成の確認検査
検査の際には、営業者が立ち会う必要があります。
2-8 営業許可書の交付
施設基準適合が確認された後、数日で交付されます。営業許可書が交付されると開店できます。
3 外国料理店で就業する外国人の就労ビザ
3-1 外国料理店の経営者である方の就労ビザ
この場合、この経営者は在留資格「経営管理」(経営管理ビザ)を取得します。
在留資格「日本人の配偶者等」、在留資格「永住者」などをお持ちの方はいわゆる就労ビザを
取得する必要がありません。
3-2 外国料理店の出資者(所有者)である方の就労ビザ
外国料理店の出資者(所有者、オーナー)が単なる出資者の立場にとどまり日本でレストランの
経営活動を行わない場合(経営者が別にいる場合)、取得できる在留資格はありません。
所有者・オーナーが経営者である場合は、在留資格「経営管理」を取得します。
3-3 外国料理店の料理人・調理師・コックである方のの就労ビザ
この場合、この料理人・調理師・コックの方は在留資格「技能」(技能ビザ)を取得します。
3-4 外国料理店で働くソムリエである方の就労ビザ
この場合、このソムリエである外国人は在留資格「技能」を取得します。
3-5 外国料理店で民族音楽を演奏・歌唱して公演する方の就労ビザ
この場合、この演奏家・歌手の方は在留資格「興行」(興行ビザ)を取得します。
興行ビザの詳細についてはこちらの専門サイトをご確認ください。>>興行ビザ
3-6 外国料理店のフロアで働くアルバイトである方の就労ビザ
外国料理店における配膳・片付けなどの単純労働をする外国人のための就労ビザはありません。
従ってフロアで働く外国人を就労ビザで海外から招へいすることはできません。
一方、留学ビザをもつ留学生や家族滞在ビザをもつ外国人の方は、法律で定められた
時間の範囲内であればこれら外国料理店で単純労働的なアルバイトをすることが可能です。